コラム

通訳ガイドに資格は必要?全国通訳案内士と地域通訳案内士の違いと、資格なしでできること

この記事のポイント

  • 2018年1月4日から、通訳ガイドは資格がなくても、報酬を受け取って行えるようになりました。
  • 資格には、国家試験に合格して登録する「全国通訳案内士」と、自治体の研修を受けて登録する「地域通訳案内士」があります。
  • 資格のない人が「全国通訳案内士」「地域通訳案内士」やそれに似た名称を使うと、30万円以下の罰金の対象になります。
  • 資格がなくても、得意な地域・分野・言語を具体的に伝えれば、ガイドとして選んでもらうきっかけになります。

2018年から、資格がなくても有償で通訳ガイドができる

以前は、報酬を受け取って外国人を外国語で案内できるのは、通訳案内士の資格を持つ人だけでした。2018年1月4日に改正通訳案内士法が施行され、通訳案内士は「業務独占資格」から「名称独占資格」に変わりました(観光庁:改正通訳案内士法の概要)。

「名称独占」とは、仕事そのものは誰でもできるものの、資格の名前を名乗れるのは資格を持つ人だけ、という意味です。英語が得意で、地元の案内ができる人なら、資格がなくても通訳ガイドの副業を始められます。

全国通訳案内士と地域通訳案内士の違い

全国通訳案内士

国家試験(筆記試験と口述試験)に合格し、都道府県に登録した人です。案内できる地域に制限はありません。登録した後は、5年ごとに観光庁が登録した研修機関の研修を受けることが義務になっていて、受けないと登録を取り消されることがあります(観光庁:改正通訳案内士法の概要)。

試験は日本政府観光局(JNTO)が行っていて、2026年度は筆記試験が8月16日、口述試験が11月29日です。英語のほかの言語でも受験できます。科目や免除の条件は、JNTO:全国通訳案内士試験の施行要領で確かめてください。

地域通訳案内士

自治体が行う研修を受けて、その自治体に登録した人です。案内できるのは、その自治体が決めた区域の中だけです(観光庁:地域通訳案内士とは)。試験ではなく研修で取れる一方、制度があるかどうかや募集の時期は地域ごとに違うため、住んでいる自治体の案内を確かめる必要があります。

資格がなくてもできること、してはいけないこと

できること

報酬を受け取って、外国人に付き添い、外国語で観光の案内をすることは、資格がなくてもできます。

してはいけないこと

資格を持っていない人は、「全国通訳案内士」「地域通訳案内士」や、それに似た名称を使ってはいけません(通訳案内士法 第52条・第60条)。違反すると、30万円以下の罰金の対象になります(同法 第64条。e-Gov法令検索:通訳案内士法)。

プロフィールや名刺では、資格の名前やそれに似た名称を使わず、「英語で京都の寺社を案内します」のように、できることを具体的に書くと安心です。

通訳案内士法のほかにも決まりがある

資格がなくてもガイドはできますが、旅行の行程を作って売ったり、交通や宿を手配したり、自分の車でお客様を運んだりすることには、旅行業法や道路運送法の決まりがあります。詳しくは「通訳ガイドの副業で注意したい旅行業登録と白タク」で説明しています。

資格を取るメリット

  • 資格の名前を名乗れる:初めて会うお客様にも、一定の知識があることを伝えやすくなります。
  • 知識が身につく:試験では、外国語のほか、日本の地理・歴史・一般常識や、通訳案内の実務が問われます。研修では旅程の管理や災害のときの対応も学びます。
  • 案内のあいだの送迎の扱い:国や自治体などが認める資格を持つ観光ガイドが、案内のためにお客様を車で運ぶ場合は、運送に特定した料金を受け取らなければ、運送の許可や登録はいらないとされています(北海道運輸局:許可又は登録を要しない運送に関するガイドラインについて)。

資格がなくても選ばれるためにできること

お客様がガイドを選ぶときに知りたいのは、「この人に頼むと何をしてもらえるか」です。資格がなくても、次のことを具体的に書いておくと、選んでもらうきっかけになります。

  • 案内できる地域と、よく知っている場所(地元の寺社、商店街、酒蔵など)
  • 話せる言語と、どのくらい話せるか(英語のほか、中国語・韓国語・スペイン語なども強みになります)
  • 得意な分野(歴史、食、お酒、焼き物、アニメ、ビジネスの視察など)
  • 案内できる日時と、1回あたりの時間

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登録は無料で、手数料がかかるのは依頼が成立して決済されたときだけです。今はサービスを始めたばかりで、依頼の数をお約束することはできませんが、最初のパートナーとして一緒にサービスを育てていただける方を歓迎しています。

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よくある質問

資格がないと、ガイドの料金を受け取ってはいけませんか?

いいえ。2018年1月4日の改正通訳案内士法の施行で、資格がなくても、報酬を受け取って通訳ガイドができるようになりました。

「通訳ガイド」と名乗ってもいいですか?

資格がない人が使えないのは「全国通訳案内士」「地域通訳案内士」とそれに似た名称です。似た名称に当たるかどうかで迷う言い方は避け、「英語での観光案内」のように、できることを具体的に書くのがおすすめです。

全国通訳案内士の試験は、英語以外でも受けられますか?

はい。英語のほかの言語でも受験できます。対象の言語や科目は、JNTOの試験の施行要領で確かめてください。

写真の出典:福井市の養浩館庭園:藤谷良秀 (Yoshihide Fujitani)/CC BY-SA 4.0(トリミング・縮小あり) Wikimedia Commons。