データで見る通訳ガイドの今|登録者数・活動の実態・訪日客のガイド利用

この記事のポイント
- 全国通訳案内士の登録者は27,312人(2024年4月1日時点)です。
- 観光庁のアンケートに答えた全国通訳案内士4,294人のうち、就業していない人は2,439人で、半数を超えていました。
- 活動している有資格者は50代・60代が大半です。言語や時期によっては、ガイドが足りない場面もあります。
- 訪日客のうち、ガイドを使ったことがある人は2割弱でした。使ったことがある人ほど、今後も使いたいと答えています。
この記事の数字は、特に断りがない限り、観光庁「ガイド人材の活性化に係る検討会 中間とりまとめ」(令和6年6月)によるものです。
訪日客の数
日本政府観光局(JNTO)の発表では、2025年に日本を訪れた外国人旅行者は42,683,600人で、過去最多でした(JNTO 訪日外客統計)。
全国通訳案内士の登録者数
全国通訳案内士の登録者は、2024年4月1日時点で27,312人です。登録には更新の制度がないため、ガイドをやめても廃止の届け出をしていない人が多数いるとみられる、と報告書は指摘しています。登録者数は、活動している人の数と同じではありません。
資格を持つ人の活動の実態
- 就業の状況:アンケートに答えた全国通訳案内士4,294人のうち、就業している人が1,855人、就業していない人が2,439人でした。
- 年代:活動している有資格者は、50代・60代が大半を占めていました。報告書は、若い担い手を増やすことが重要だとしています。
- 地域:多くは住んでいる地域で活動していますが、ほかの地域でも活動している人が一定数いて、住んでいる地域の偏りが直ちに問題になるわけではない、とされています。
言語と時期による偏り
現場では、英語・イタリア語・フランス語のガイドが不足し、月によっては依頼を受けられないこともあった一方、中国語のガイドは団体ツアーで雇われる機会がほとんどなくなってきている、という報告がありました。報告書は、言語ごとの比率ではなく、言語ごとに応じられるガイドの数(需要と供給のバランス)の問題として捉える必要があるとしています。
また、ガイドが安定して働くには、継続して仕事があることが重要で、閑散期の底上げが課題とされています。
資格を持たないガイドの状況
2018年の法改正で、資格がなくても報酬を受け取ってガイドができるようになりました。一方、資格を持たないガイドは都道府県への登録がないため、活動の状況は把握できていないとされています。観光ガイド団体への調査(日本観光振興協会)では、所属ガイドのうち通訳案内士の資格を持つ人は約2.1%でした。
訪日客のガイドの利用
- 訪日客のうち、ガイドを使ったことがある人は2割弱でした。
- 使わない理由には、インターネットや観光案内所・ホテルで情報を得ている、小規模な旅行で必要ない、自分で旅行したい、友人や家族に案内してもらう、などが挙がっていました。
- ガイドを使ったことがある人は、今後も使いたいと答える割合が高く、使ったことがない人ほど低い傾向でした。
- 今後ガイドを使いたい人が1日に払える金額は、使ったことがない人では「1万円未満」と答える割合が高くなっていました。
データから見えること
資格を持ちながら活動していない人が多い一方で、言語や時期によってはガイドが足りず、ガイドを一度使った訪日客は次も使いたいと考えています。ガイドと訪日客の出会いの場を増やし、使ったことがない人に価値を伝えることが、ガイドの仕事を増やす鍵だと考えられます。資格を活かして仕事を増やす方法は「通訳案内士の資格があるのに仕事がない?」でまとめています。
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よくある質問
全国通訳案内士は何人いますか?
2024年4月1日時点の登録者は27,312人です。ただし、登録に更新の制度がないため、活動していない人も含まれています。
ガイドを使う訪日客はどのくらいいますか?
観光庁の検討会の調査では、ガイドを使ったことがある訪日客は2割弱でした。
どの言語のガイドが足りないのですか?
報告書では、英語・イタリア語・フランス語のガイドが、月によっては足りないことがあったと報告されています。
写真の出典:東京・浅草の仲見世通り:Gabe Kronisch/CC BY 2.0(Wikimedia Commons)。